【歯科医師監修】歯が黄色い!歯の黄ばみの原因や対策方法を歯医者が解説

白い歯は清潔感や若々しさを感じさせ、対人関係において好印象を与えやすいです。

そのため、歯が黄ばんでいることにコンプレックスを感じている人は少なくないのではないでしょうか。

今回は、成人男女200人を対象に「歯の黄ばみ」に関するアンケート調査を実施しました。

併せて、歯の黄ばみの原因治療方法正しいセルフケアや注意点について詳しく解説します。

 

まず、「歯の黄ばみが気になったことはありますか?」と聞いたところ、「ある」と回答した人が186人でした。

「ない」と回答した人は14人で、ほとんどの人が歯の黄ばみを気にしていることがわかりました。

 

歯の黄ばみの外的原因

ここでは、歯の黄ばみの外的原因について解説します。

 

飲食物や嗜好品

歯が黄ばむ原因として、飲食物による色素汚れステイン)が挙げられます。

濃い色素やポリフェノール、カフェインなどを含む飲食物を摂取する習慣があると、歯に色素汚れが付着して黄ばみやすくなります。

喫煙習慣がある人は、タバコのヤニタール)が歯の表面に付着することで黄ばんで見えてしまうこともあるので注意が必要です。

タバコのヤニ汚れがつくと見た目に影響を与えるだけでなく、歯周病を早める原因にもなります。

 

プラークや歯石によって黄ばんで見える

歯磨きが不十分だとプラーク(歯垢)や歯石が残り、飲食物の色素が付着して黄ばんで見えることがあります。

プラークは細菌の塊で、奥歯のかみ合わせや歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間、歯並びが凸凹しているところなどに付着しやすく、放置すると2日程度で石のように硬い歯石に変わります。

プラークは歯磨きやフロスで落とせますが、歯石を落とすには歯科医院の専用器具を使った処置が必要です。

歯垢や歯石が歯に付着していると、黄ばみ以外にも虫歯や歯周病、口臭の原因となります。

 

口の中の乾燥

口の中が乾燥すると、唾液の分泌量が減ってしまいます。

唾液には殺菌作用や洗浄作用などの働きがあるため、口の乾燥によって唾液が減るとプラークや色素汚れが残りやすい口腔内環境を作ってしまいます

口の中が乾燥しやすいのは、口呼吸が癖になっている人、口腔乾燥症ドライマウス)の人、歯並びが悪くて口が閉じにくい人などです。

根本的な解決には、癖の改善や歯科医院での歯列矯正、口腔乾燥症の治療が必要となります。

 

虫歯

虫歯は進行すると、歯が溶けて変色を起こします。

初期段階では白濁色ですが、徐々に黄色や茶色、黒色になります。

また、虫歯治療で詰め物をしている場合、経年劣化によって詰め物が変色して黄ばむこともあります。

 

歯が黄ばむ内的原因

ここでは、歯が黄ばむ内的原因について解説します。

 

加齢

歯の表面にあるエナメル質は透明で硬い組織ですが、日頃の歯磨きや噛み合わせ、咀嚼による摩耗、食品に含まれる酸の影響によって徐々に薄くなります。

エナメル質の下の層には黄色い象牙質があり、エナメル質が薄くなると象牙質の色が透けて見えます。

加齢によって象牙質の黄色みは強くなるため、年齢を重ねると歯の黄ばみが気になりやすいです。

 

エナメル質が薄い

エナメル質の厚みや象牙質の色味は人によって異なるため、生まれつきエナメル質が薄い人象牙質の黄色みが濃い人は歯が黄ばんで見えます。

日本人はエナメル質が薄い傾向があるため、歯が黄色っぽく見えることが多いです。

歯の磨きすぎや誤った口腔内ケアが原因でエナメル質が薄くなり、歯の黄ばみを引き起こす場合もあります。

 

薬の影響によるもの

妊娠中の母親がテトラサイクリン系抗生物質を多く摂取している場合、生まれてきた赤ちゃんの歯が変色して灰色のように見えることがあります。

現在ではテトラサイクリン系抗生物質はあまり使われませんが、1960年代に一般的に医薬品として使用されていました。

うがい薬(ポピドンヨード・クロールヘキシジン)や液体漢方薬など色素の濃い液体薬も、歯の黄ばみの原因となります。

 

歯を白くしたい!歯科医院での治療方法

「歯の黄ばみを改善する際はどのくらい費用をかけられますか?」と聞いたところ、「1,000〜5,000円」と回答した人が半数以上を占めて最多でした。

次いで、「1,000円未満」「5,000〜10000円」「1,0000円以上」となっています。

歯の黄ばみの治療方法は、大きく分けて『クリーニング』『ホワイトニング』『セラミック』があります。

治療方法によって費用は異なり、ホワイトニングやセラミックは審美目的の治療となるため基本的に保険適用の対象外です。

歯のクリーニングを予防歯科治療の一部として行う場合は、保険が適用されます。

 

お口プラスで予防歯科治療として歯のクリーニングを行う場合、3,100円から治療可能です。

当院の予防歯科治療では、歯のクリーニングの他にも、歯科医師によるお口の健康チェック、歯磨き指導、歯茎マッサージ、無料口腔がんチェックなどが含まれています。

保険外診療となりますが、ホワイトニング(4,980円〜)治療も行っています。

歯の黄ばみを改善するには、原因に合った治療を受けることが大切です。

それぞれの治療がどのような人に向いているのか、治療内容を紹介します。

 

クリーニング

歯のクリーニングは専用器具を使って清掃や研磨を行い、プラークや歯石、着色汚れを除去する施術のことです。

歯の表面の汚れを取り除くことで、本来の歯の色に近づけます。

定期的に歯のクリーニングを行うことは歯の健康維持に役立つため、虫歯による黄ばみ予防にも効果的です。

 

ホワイトニング

ホワイトニングは、歯を削らずに歯を白くする施術のことです。

歯の表面にホワイトニング剤を塗り、汚れを分解して歯の内側から漂白します。

内部に浸透した着色汚れや加齢、薬による影響、生まれつきなど内的原因で歯の黄ばみがある場合、ホワイトニングで改善が見込めます。

 

セラミック

虫歯治療などの詰め物や被せ物には、着色や変色、劣化が起こりにくいセラミックを使用することがあります。

セラミックは、見た目を美しくする目的で利用するケースも増えています。

セラミックにはさまざまな治療法がありますが、歯の表面を削って板状のセラミックを貼り付ける方法や、歯を削ってセラミック製の差し歯を被せる方法などがあります。

加齢や生まれつき、虫歯治療の詰め物の劣化など、内的原因による黄ばみの改善に効果的です。

 

歯の黄ばみを取り除くためのセルフケア方法

「歯の黄ばみを自分でケアする場合どのような方法を選びますか?」と聞いたところ、「歯磨き粉を変える(87人)」が最多でした。

次に多かったのは「ホワイトニングアイテムを取り入れる(80人)」で、どちらも半数近くを占めていました。

プラークや歯石、着色汚れなど外的原因による歯の黄ばみは、自宅での歯磨き方法や生活習慣を見直すと予防や改善効果が期待できます。

どのようなセルフケアが効果的なのか確認していきましょう。

 

正しい歯磨きのやり方を身につける

歯の黄ばみを取り除くには、正しい歯磨きのやり方を身につけることが大切です。

歯ブラシはペンを持つように握り、軽い力で磨くのが基本です。

小刻みに動かして、1本ずつ丁寧に磨きましょう。

きちんと磨くことでプラークや歯石が残りにくくなります。

 

ホワイトニング成分が含まれた歯磨き粉に変える

ホワイトニング成分が含まれた歯磨き粉は、飲食物や嗜好品による着色汚れや歯垢を落として、本来の歯の白さを取り戻す効果が期待できます。

歯磨き粉に配合されているホワイトニング成分には、以下のようなものがあります。

ポリリン酸ナトリウム 歯の表面に付着した着色汚れや歯垢を浮かせる働きがあります。
ポリエチレングリコール タバコのヤニを溶かす働きがあります。
ハイドロキシアパタイト 歯の表面の傷を埋めて滑らかにし、着色や歯垢を付きにくくします。

商品によって配合されているホワイトニング成分は異なるので、成分表示を確認して目的に合うものを選びましょう。

 

着色汚れが付きやすい飲食物を控える

着色汚れの原因となる飲食物を控えると、歯の黄ばみ予防につながります。

歯を着色させやすい飲食物には、以下のようなものがあります。

  • コーヒー
  • 赤ワイン
  • ココア
  • 紅茶・緑茶・烏龍茶などのお茶類
  • カレー
  • キムチ
  • ケチャップやソース醤油などの調味料
  • ブルーベリー、カシス、ぶどうなど色素の濃い果物

着色しやすいからといってすべての飲食物を控えるのは難しいですが、お菓子や嗜好品は摂取する頻度を決めておくとよいでしょう。

また、着色汚れがつきやすい飲食物を摂取したときは、時間をあけずに歯磨きをするのがおすすめです。

歯磨きが難しい場合は、うがいをしたり水を飲んだりするだけでも色素の付着を抑えられます。

 

フロスを習慣化する

歯磨きだけで落とせる汚れは全体の6割程度といわれています。

歯ブラシが届かない歯と歯の間には食べかすやプラークが残りやすいため、フロスを習慣化してしっかりと汚れを取り除くと歯の黄ばみ予防につながります。

 

ホワイトニング効果のあるオーラルケアアイテムを取り入れる

歯磨き粉のほかにも、ホワイトニング効果のあるマウスウォッシュも販売されています。

着色汚れを洗い流し、汚れの付着を予防する効果があるものを選ぶと、歯の黄ばみケアに役立つでしょう。

 

歯が黄色い!セルフケアをする際の注意点

ここでは、セルフケアをする際の注意点を紹介します。

 

研磨剤入りの歯磨き粉は避ける

研磨剤入りの歯磨き粉は、歯の表面に付着した歯垢や着色汚れを落とすのに効果的です。

しかし、研磨剤は歯の表面に付着した汚れを削り落とすため、歯の表面を傷つける恐れがあります。

使いすぎるとエナメル質が薄くなり、歯の黄ばみの原因となる場合があるので注意が必要です。

 

重曹で歯を磨くことは避ける

重曹には強い研磨作用があるため、歯磨きの際に使用すると歯の表面を傷つけてしまいやすいです。

傷による細かい凸凹ができてしまうと汚れが入り込みやすくなり、着色しやすくなる恐れがあるので注意しましょう。

アルカリ性である重曹は酸性に傾いた口腔内を中和する働きがあり、虫歯や口臭予防につながるといわれています。

しかし、濃度や頻度が高いと口腔内がアルカリ性に傾いてしまい、歯石が形成されやすくなって虫歯や歯周病リスクを高める恐れもあります。

 

歯を強く磨くことは避ける

歯の黄ばみを落としたいからといってゴシゴシと歯を強く磨くと、歯の表面を傷つけてしまいます。

エナメル質を薄くしたり、傷がついた部分に汚れがつきやすくなったりする恐れがあるため、歯磨きの際は軽い力で磨くようにしましょう。

 

まとめ

歯の黄ばみは、プラークや飲食物の着色汚れなどの外的原因、加齢や生まれつきによるエナメル質の薄さなどの内的原因があります。

歯の黄ばみの原因によって対処法は変わるため、まずは歯が黄ばんでいる原因を把握することが大切です。

誤った方法でセルフケアを行うと、歯の黄ばみが取れないだけでなく、歯にダメージを与えて口腔内の状態を悪くする場合があります。

お口プラスでは原因に合わせた治療が可能で、セルフケアのアドバイスも行います

歯の黄ばみが気になるときは、ぜひお気軽にご相談ください。

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【アンケート調査概要】

  • 調査方法:インターネットアンケート
  • 調査対象:20歳以上の男女
  • アンケート母数:男女200名
  • 実施日:2025年1月15日
  • 調査実施主体:お口プラス
  • 調査会社:一般社団法人お口プラス