舌磨きは口臭予防に効果的!正しいやり方や舌ブラシの種類&理想的な頻度

「歯磨きは毎日するけど、舌磨きはあまりやらない」という人は多いのではないでしょうか。

しかし、口の中には約1000種類もの細菌が生息しており、その多くが舌の表面に付着しています。

舌に棲む細菌は、虫歯や口臭の原因になることがあるので、定期的に舌磨きすることはとても大切なのです。

この記事では、舌磨きの正しいやり方理想的な頻度について解説します。

舌磨きブラシの種類や舌磨きの効果、注意点についても解説するので、舌磨きに関する正しい知識を身につけましょう。

舌磨きで期待できる効果

舌磨きには、具体的にどのような効果があるのでしょうか。

ここでは、舌磨きで期待できる効果について解説します。

 

口臭を対策できる

舌磨きで期待できる効果として、口臭対策が挙げられます。

舌の表面のザラザラした部分に溜まった汚れや食べカスは、細菌の栄養源になります。

放置していると、「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる歯垢(プラーク)と同じ細菌の塊ができてしまいます。

実は「口臭の6割は舌苔から発生している」とも言われています。

つまり、定期的な舌磨きによって舌苔を取り除けば、口臭の原因となる揮発性硫黄化合物(硫化水素やメチルメルカプタン)の発生を防ぐことができるのです。

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虫歯や歯周病を予防できる

舌磨きによって舌苔を取り除けば、虫歯や歯周病を予防する効果も期待できます。

虫歯や歯周病の対策として、毎日歯磨きをしている人は多いでしょう。

しかし、歯磨きをして歯の表面の歯垢を除去しても、舌苔が残っていると、歯の表面に舌の細菌がついてしまうリスクがあるのです。

歯磨きの効果が薄れてしまう可能性があるので、口の中の健康を維持するために舌磨きは非常に大切になります。

 

誤嚥性肺炎を対策できる

舌磨きは、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)の対策にもなります。

誤嚥性肺炎とは、呼吸困難や胸痛、疲労感といった症状があらわれる病気です。

食べ物や唾液と一緒に、細菌が誤って肺や気道に入ることによって起こります

とくに、高齢者や他の病気のせいで飲み込む力が落ちている人が気をつけるべき病気です。

口の中の死んだ細胞は、舌の表面に集まって細菌を増殖させます

放置していると、喉に近い部分に細菌が多く存在している状態になるので、誤って肺や気道に吸引してしまうリスクが高まると考えられています。

そのため、舌磨きによって口の中の細菌を減らすことができれば、誤嚥性肺炎を予防することが期待できるのです。

 

舌磨きブラシは3種類

舌磨きブラシには3つのタイプがあります。

それぞれどんな特徴があるのか詳しく見ていきましょう。

 

ブラシタイプ

ブラシタイプは、歯ブラシに近い形状をしているので、舌磨きの初心者におすすめです。

舌のくぼみに溜まった汚れや食べカスを、ブラシで効果的に取り除くことができます。

ただし、磨くときに力を入れすぎてしまうと、舌の粘膜を傷つけてしまう可能性があります。

ブラシの毛が柔らかくて密度が高いタイプのものを選んで、軽い力で磨くようにすれば、舌を傷つけずにケアすることができるでしょう。

 

U字タイプ

U字タイプの舌ブラシは、金属製で耐久性に優れています

舌ブラシの両端を持って、舌の奥から手前に引くだけで舌苔を除去できます。

広い範囲を効率的にケアできるのが特徴です。

短時間かつ低負荷でケアできるので、舌への刺激を抑えることもできるでしょう。

他のタイプの舌ブラシに比べると値段は高めですが、繰り返し使えるのでコスパがいいです。

ただし、携帯性が低いので、収納に不便さを感じるかもしれません。

 

ヘラタイプ

ヘラタイプの舌クリーナーは、柔らかいシリコンやプラスチックでできています。

舌の表面を優しくなぞるだけで、舌苔を除去することができます。

構造がシンプルなので、手入れがしやすく清潔さを保ちやすいのがメリットです。

ただし、舌の凸凹への対応力は、他のタイプと比べてやや劣ります。

舌への刺激は少ないので、ヘラタイプは優しい舌ケアを望んでいる人におすすめです。

 

舌磨きの正しいやり方&理想的な頻度

舌磨きの効果は、やり方や頻度によって大きく変わります。

ここでは、舌磨きの正しいやり方や理想的な頻度について解説します。

 

舌磨きの正しいやり方

舌は歯と異なり、非常に繊細な粘膜に覆われているので、優しくケアすることが大切です。

舌磨きをするときは、水や専用ジェルで舌を湿らせて摩擦による刺激をなるべく抑えるように行いましょう。

数回動かすだけでも汚れを取り除くことができます。

ブラシを動かすときのポイントは、舌をしっかりと出して、舌の奥から手前に向かって一方向に動かすことです。

そうすることによって、舌苔を喉に押し込む心配がなくなります。

左右や中央に分けて磨くと、より効率的にケアできるでしょう。

 

舌磨きの理想的な頻度

舌磨きの理想的な頻度は1日1回です。

頻繁に行いすぎると、舌の表面を傷つけ炎症や味覚障害を起こす可能性があります。

また、舌磨きをするタイミングは、起床後がおすすめです。

夜間や就寝中は唾液の分泌量が減るので、細菌が増殖しやすくなっています。

口内の細菌が増えている起床後に舌磨きをすることで、口臭や虫歯の原因をまとめて取り除くことができるでしょう。

 

舌磨きをするときの注意点

舌磨きには、いくつかの気をつけるべきポイントがあります。

最後に、舌磨きをするときの注意点について解説します。

 

強くこすらない

舌磨きをするときは、強くこすらないように注意しましょう。

舌の表面には、舌乳頭(ぜつにゅうとう)と呼ばれる凸凹が存在しています。

舌乳頭には、「味蕾(みらい)」という味を感じる器官があります。

舌を強くこすって味蕾が傷つくと、一時的に味覚障害になってしまう可能性があります

先述したように、舌の表面の粘膜はデリケートで傷つきやすいので、力を入れすぎずに優しく磨くようにしましょう。

 

定期的にブラシを交換する

舌ブラシは定期的に交換するようにしましょう。

同じ舌ブラシを長く使い続けると、細菌が繁殖しやすくなります。

舌磨きの頻度にもよりますが、1ヶ月に1回を目安にブラシを取り替えましょう。

定期的な交換を心がけて、舌ブラシを清潔に保つようにしてください。

 

舌磨きをして口内を清潔に保とう

口の中には約1000種類もの細菌が生息しており、その多くが舌の表面に付着しています。

舌磨きを正しく行えば、口臭対策だけでなく、虫歯や歯周病を予防する効果も期待できます。

本記事で紹介した舌磨きの正しいやり方や理想的な頻度を守って、口内を清潔に保ちましょう。

自分に合った舌ブラシを選んで、定期的に交換することも忘れないでください。

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